漢方小説 (集英社文庫)

漢方小説 (集英社文庫)

わたなべ食堂さんのブログよりタイトルに惹かれて読みました。
先日の宮下奈都さんとは違いますけれど、こちらもさらっと読みやすいです。
31歳の独身女性みのりが、昔の彼が結婚すると聞かされて調子がおかしくなり・・・
徐々に自分を取り戻していく様子や心情がさりげなく、でも、明るく書かれています。
こういう日常ってありそうです。
仕事も恋愛も落ち着いてきた若いだけではない31歳の女性の不安とか悩みとかあこがれとかこんな感じなのかもしれないと思いました。
男女のビミョーな関係とか、周りに流されない強さとか、逆に流されちゃう弱さとかいろいろ出てきますけれど、しっかりとした大人の話でした。


私の目的はおそらく、「病気を治したい」から一歩踏み込んで、
「変化を恐れない自分になりたい」ではないだろうか。(P123より)


と客観的に自分を捉えているところが大人を感じさせます。
こういうのは男の人は分からないだろうなとも思います。
漢方をうまく取り入れて説明しつつ、読み終わってすっきりする本でした。
これは、多分、通勤途中に読むのがいいかな。よく分かりませんが。